「この男に関わってはいけない……けれど、この煌めきを知りたい――」
未成年による実際の殺人事件をモデルに描かれた小説『正しいナイフの使い方』で、鮮烈なデビューを果たした小説家・眞家准。
数年が経ち、順調に著作を増やしているが、どこか空虚で充実しない日々を過ごしていた――。
そんなある日、眞家の前に「小説の書き方」の教えを請う男・西が現れる。
彼は、眞家の作品への批判と共に、自分はかつて眞家がモデルとした事件の犯人だと言うが――。
「その小説に刺されぐちゃぐちゃにされた」
小説家と殺人者が、互いの輝きに惹かれ合い、壊し合う。
創作と事件が絡む、ヒューマンミステリー始動。